今回のテーマはアウトドアで楽しむワインです。ちょうど夏まっさかりで海水浴やキャンプ、BBQなど外に出かける機会の多くなるシーズンですね。アウトドアでは缶ビールや缶チューハイが手軽ですし、キンキンに冷えたものは格別ですよね。アウトドアでの缶ビールや缶チューハイの「美味しいポイント」は何よりも爽快な喉ごしだと思います。
ではワインの「美味しいポイント」はどこでしょうか?まずワイン好き(ワインラバー)にとっては香りと味わいの高さでしょう。ただ、今回は 屋外ですし季節は“夏”ですので、通常のワインの楽しみ方を屋外に当てはめるとワインのポテンシャルを殺してしまう可能性が高いです。ワインは泡(スパークリング)、白、ロゼ、赤とありますが、まずワイン総じて言えることは香りを楽しむためには冷やしすぎは禁物なのですが、暑い屋外で楽しむにはキリッと冷えている方が口当たりが良くほてった身体を冷やしてくれますよね。香りや味わいが豊潤で高級なワインを冷やしすぎてしまうと、香りが縮み、果実感が抑えられ、渋みや苦みが前に出てきます。つまり…屋外では高級なものをそのポテンシャル通りに楽しむのは難しいのでカジュアルなもので十分です。
泡や白、ロゼはしっかり冷やして楽しめますが赤は注意が必要です。冷やして楽しめる赤ワインは「渋み苦みが少ないこと」「豊かな果実感」が条件です。
BBQなどで牛肉やラムなどと合せるなら南フランスのシラー、グルナッシュやニューワールドのジューシーなカベルネ・ソーヴィニヨンやマルベックなど渋みが穏やかで、巨峰の皮を噛みしめたような果実の濃さが好印象でしょう。
魚介類の浜焼きならキリッと冷えたシャブリやスパークリングワインですが、ここでもカジュアルなものをしっかり冷やした方が楽しめます。プロヴァンスのロゼも最高ですよ!!
株式会社T&Cサービス 取締役営業統括 渡邉圭一 ソムリエ、利酒師
※組合ニュースの連載コラム「酒々楽々」からの転載です。